仏の篠原「英語のわかりかた」Vol.3 ~Study&Learn Better~

SGの講師陣が筆を執るコーナー

「Study & Learn Better」

篠原先生の「英語のわかりかた」Vol.3!
少し間が空いてしまいましたが、年内最後の更新です。
3年生は受験直前!スタッフ一同冬期講習で現場は混沌を極める中、勢いのあるいい感じの前フリ文を思いつかないので今回の前座はここまで!早速本文へ突入してみましょう!!

 

仏の篠原「英語のわかりかた」Vol.3

 

英語と日本語、一番の違いはここにある!

君は外国に郵便を送ったことがあるだろうか。

送り先の書き方が日本と真逆だって知ってるかい。

例えば日本では

って書くけど、国際郵便では

となるんだ。

日本では、個人を同定(identify)するには、全体(県)から初めて、徐々に範囲を狭めていって、最後に個人に到達する。

これに対して英語圏では、逆に個人から出発して、徐々に範囲を広げていく。ここには、出発点が全体なのか、それとも個なのかという違いがある。

この違いは、全体があって初めて個人があると考える日本的な文化と、個が集まって社会全体を作るというヨーロッパ的文化の違いから来ている。

文化の違いはまた、言語の違いでもある。だって、人は言語を使って思考するのだから、言語が違えば見える世界も違ってくるというもの。

日本語では、名詞を限定する(飾る)形容詞は、それがどんなに長くても、名詞の前につく。

例えば

これを英語で言うと

何だ、同じじゃないか。

ではこれはどうだろうか。

同じだ。

じゃあこっちはどうだろう

さっきの文に、「若者達の間で」が増えたけれど、これを英語にすると

こっちは日本語と真逆の順序だ。
この文では、後ろから名詞(「歌/song」)を限定・修飾・飾っているよね。
これは日本語ではあり得ない順番。

この、後ろから飾るという英語の特徴が、沢山の生徒が英語で躓く原因となっている。

基礎中の基礎にもかかわらず、苦手な子が多い不定詞の形容詞的用法分詞の形容詞的用法関係文(形容詞節=形容詞の働きをする文)は、ことごとく後ろから前を飾っている。

でもここで躓くのは当然。だってここが一番の、日本語と英語の違いだからね。

じゃあここでちょっとまとめてみよう

英語はどんな言語か。

君は5文型を知っているよね。英文は全て主語+動詞で始まる。

前に話した様に、動詞は文の要だ。動詞がわかれば、前後が見えてくる。「食べる」という動詞が与えられたら、主語は生物で、目的語は食べ物と推測できる。

つまり、主語と動詞が与えられれば、文のだいたいの内容が先取りできるというものだ。

これらを最初に提示するという事は、英語はできるだけ明確に世界を表現しようという意思を持っていると言えるかもしれない。

だとしたら、あの形容詞と名詞の関係を思い出してみよう。

形容詞1語1語の場合には、名詞の前につけるが、長くセットになったもの(形容詞句・形容詞節)は、名詞の後に置いたよね。

つまり英語は、長い飾りは後回しにして、言いたい名詞を先に行ってしまうという事。

詳しい事は後から、とりあえず大事なことを先に言うという精神。言いたいことを最後まで言わない日本語とは大違いなんだ。

この通り、英語はちょっとせっかちだけど、この英語の癖を認めて、どんな時に飾りを後回しにするのかを理解してやろう。そうすれば、君は英語を、日本語ではなく、新しい目で見ることになる。そう、Vol.1からのテーマである、英語を英語で理解することに繋がっていくんだ。