群馬大学 理工学部 岩﨑航大さん

出身校:春日部高校

  これから書く内容は志望校合格につながる勉強法のアドバイスやどうやって受験期を乗り越えればよいかなどの一般的な合格体験記ではなく、私のように私立前期全敗し、滑り止めのない崖っぷちで国立前期を受けるという過酷な逆境に立つことにならないよう警告するものだとはじめに断っておく。

  まず、中学受験に勉強をさぼった者は要注意である。ろくな勉強もせず、そこそこの成績で定期テストを乗り越え、その流れで遊び惚けつつ、公立高校に入学してしまった場合、私と同じルートをたどることになるかもしれない。というのは、結局高校入学後も不真面目の流れは止まらず、それぞれの教科は難しくなり、気づけば二年の半ばで国数英すべて再テストのような愚かな未来が待ち受けているということだ。現在、再テスト・補習ギリギリラインの成績で一年次を修了したものは要注意である。特に私のように赤点にならないギリギリの点を取り続けるチキンレースを楽しむ愚者は覚悟を決めるべきだ。後々給付奨学金が得られないと後悔しないように。

 二つ目は、友人を選べということだ。高校にもよるが多くの場合クラスメイトはほぼ知らない人間だろう。そうなると、最初に仲が良くなるものは席が近いものになるではないだろうか。私はここで問題が発生した。なんと一年も二年も前の席が私と同じゲーム廃人であった。当然早く打ち解けとても親しい仲となった。そしてゲームに明け暮れた。そして友人もろとも国数英再テストにかかった。赤信号もみんなで渡れば怖くないのだ。では、部活ではどうだろう。わたしはメディア研究部(高校敷地内の音楽ホールでのイベント運営及び施設管理を主な活動とする。以下メディ研)と合唱部(一年で退部)を兼部していた。メディ研では部室でWiiに勤しむ先輩と二人の同級生と出会った。同級生とは補習で何度か顔を合わせる仲であった。一方合唱部、こちらはまず同級生、先輩ともども相性が悪かった。結果、毎日中身のない二時間の練習でたまったストレスをゲームで発散する日々を送った。しかし、三年の夏休みでは、お互いの監視を兼ねて部活の同級生と毎日同じ部屋で勉強したことで受験勉強に本腰を入れることができた。以上から言えることは、友人次第で勉強のモチベーションが変わることがあるということだ。ぜひ切磋琢磨できる友人を見つけていただきたい。

 三つ目、これはダイレクトに受験勉強に関係する話だが過去問でボーダーを超えて満足するなということである。私も、受ける私立の過去問は当然全校解いた。さらに一番レベルの高い大学以外は安定して合格可能点を取れていた。しかし、前述のとおりすべて落ちた。過去問でできたからといって余裕で受かるものだと高をくくっていたのが災いしたのだろう。試験本番は確実に受かるであろう滑り止めでもちゃらんぽらんな気持ちで受けてはいけない。

 四つ目は試験本番の準備を怠るなということである。私はカフェイン中毒で毎日ある程度カフェインを摂取しないと頭痛が起こる。だから、試験前は必ずコンビニでエナジードリンクを買っていく。ところが某C大学の試験本番、駅構内のコンビニは混雑していたので道中で買おうとスル―した結果、駅がキャンパスに直結していたため買うタイミングを逃し、一限の英語でひどい頭痛に苦しんだ。このようにならないために前もってキャンパスへの行き方や電車の乗り継ぎ、絶対に必要なものあらかじめ買っておくなどの準備を怠らないようにすべきだ。

 最後に、私と同じとにかく勉強が嫌いな人間に向けて一つアドバイスをしようと思う。勉強嫌いな者は大学に行きたいかと自問するとなぜ嫌いな勉強をするための大学に好きなことを犠牲にして嫌いな勉強をするのかといったカオスにたどり着くだろう。だから受験を決めたのなら、志望校に受かりたいとか落ちたくないとかいっそもう何も考えない方がいい。ただただ機械のように心を無にして学習することが勉強嫌いな人が受験を乗り越える秘訣だと私は考える。