この模試こそ活用しよう!~Chairman’s blog 04~

高校3年生の皆さん、Benesse・駿台マーク模試お疲れさまでした!

この夏の成果は出せましたか?

今回は、良かった人、悪かった人、両方に向けて、ここから先どう過ごすべきかについて書いていきます。

良かった人!
(志望大学の合格ラインに対して8割以上得点できた人!)

実施日が学校によって違う為、現時点では正確な全体像はわかりません。ですが、ここまでのところ今年のSG生は良かった人の割合が高くなっています。よくがんばっていると思います。

さて、そんな良かった君たちがまずやるべきは

『喜ぶこと!!』

本当によく頑張りました。心から喜んでください。長く苦しい受験生活中、数少ない喜びどころです。『やれば上がる』この一見当たり前の事が、大学受験ではなかなか実感し辛いのです。

大学受験の問題は、高校生が日常的に学校で触れる問題と比較して、必要とされる知識が多く、複雑な難問奇問も日常茶飯事です。そのため、努力の成果がなかなか結果として結実せず、モチベーションが下がったり、自信を無くしてしまう生徒も沢山います。

皆さんにとって、この夏休みは覚悟して臨んだ一世一代のものだったはずです。失敗は許されません。そんなプレッシャーを背負って必死の思いで勉強に打ち込み、そして夏の成果が試される休み明けすぐのこの模試に挑み、勝ったのです。

この成果によって間違いなく『君はやればできる!』事を証明しました。この先の人生において、何度も乗り越えなければならない困難な局面が訪れます。ほとんどの人は、やったってできるかどうかわからないという理由で「やらない!」という選択をし、成長や成功の機会を逸していきます。

なぜ彼らはチャレンジしないのか?それは、成功体験を持っていないからです。

ですが『自分はやればできる』事を証明した人は、それを乗り越えることが成長や成功に繋がる事を経験しているので必ず挑みます。それを何度も繰り返して、成長し続けます。年齢を重ねるほど、挑戦しない人との差はより歴然としていきます。

もちろん大学受験の本番はこれからですから、今回の結果だけではぬか喜びはできません。また成績が上がったと言っても、目標に向けてはまだ足りていません。ですが、この夏頑張って上がったことは事実であり、正しい努力を更に継続すれば必ず結果はついてきます。

だからここはまず、喜んでください。お父さん、お母さんは、褒めてあげてください。達成感に浸り、より強く成果を実感することが、ますます厳しくなる受験勉強に臨む励みとなります。

自信を持ってここからさらにステップアップしていきましょう!

悪かった人
(夏前の模試と比べて、伸びていない人)

悪かった人が今回の模試の結果に対してすべき事は

『悔やむこと』

徹底的に悔やんでください。決して、「今回はたまたま…」とか「問題との相性が…」とか、「体調が…」とか、「ケアレスミスが…」などと言い訳をしないでください!

高3の夏休みは失敗できないものだったはずです。しっかりやるんだ、絶対成果を上げるんだと、そう己に言い聞かせて臨んだはずです。ところが成果が上がらなかった。これが結果です。

もしここで言い訳をして現実から逃げたら、おそらく次の模試でも、大学受験の本番でも、そしてその先の人生においても、肝心なところで成果を出せない、言い訳だらけの人生になるでしょう。

だからまずしっかり後悔してください。肝心なところで踏ん張り切れなかった自分をしっかり反省しましょう。その上で、では今後どうしていくか、です。

まずは、今までの勉強の質を見直してみましょう。
これまで、勉強をやっていると思いつつも、その実勉強の真似事とでも呼ぶべきものになっていたりしませんか?

例えば、解けなかったり間違えた問題に対して、とりあえず模範解答を取り出し、書かれている文字を(読んだというよりは)目で追っただけで次に進めたり、それどころか、模範解答に目を向けてはいるものの、はたして目の焦点が合っているのかすらも怪しい状態を小一時間ほど経て、何かに満足して次に進んだり…。こんな経験ありませんか?

勉強の真似事とは、このように机に向かってはいるけれども、知識や理解にはつながらない行為のことです。

何かをできるようになろうと努力したら、普通はできるようになったかを自発的に確認しますよね?勉強も同じです。本気で覚えようとしたり、解けるようになろうと思って演習を繰り返していたら、本当に覚えたのか、本当に解けるようになったのかを自ら確認するはずです。

こうして確認を繰り返していけば、勉強した内容を確実に習得できるだけでなく、自分の勉強の進行現状を掴めるようになります。当然、模試の結果についてもある程度予測できるようになります。
しかし、多くの学生がこの確認の作業をおろそかにしています。

あなたは今まで、勉強内容とその理解度・定着度に対して妥協せずに確認をしてきましたか?もしあなたが自己採点の結果を見て、悪かったとショックを受けたのであれば、あなたの勉強は『真似事』であった可能性が高いでしょう。日々こだわっていたら、模試を受ける前に結果はある程度想定できますし、そもそもショックを受けるような酷い結果にはならないのですから。

これから先は机に向かうことが必要なのではなく、勉強内容を理解し得点に繋げることが必要なのです。二度と同じ失敗を繰り返さない自分を作っていきましょう。

指示通りにやり切ろう

次に、ここから先の過ごし方について触れていきます。
何にも増して重要なのは、受けた指示をきっちりこなすという事です。指示の内容は生徒によって違うと思います。誰に言われたかに関しては、SG生の場合は担当の指導員かもしれませんし、受けている授業の講師かもしれません。もちろん学校の先生でも構いません。あなたが信用して相談を持ち掛けた相手であれば、誰からのものでも構いません。

伸びない生徒の特長としては、とにかく色々な人に相談に行くというものがあります。色々な人から別々の指示を受けて、それらを何一つこなし終える事は無く、すぐにまた別の指示を仰ぎに行くのです。相談する事が目的になっていて、そもそも受けた指示をこなす気なんかないんじゃないかなぁとも思ってしまいます。

だから、僕のところに生徒が相談に来た時に僕がまず聞くことは、誰かに相談はした?何かアドバイスを受けた?それをやり切った?です。その上でなければ、僕がするであろうアドバイスはアドバイスでもなんでもなく、やることを散漫にする邪魔なものにしかなりません。

皆さんが相談に行くときというのは、何か困った事があるときで、それを親身になってくれそうな、信用を置いている人に持っていくわけですよね?自分のことをよくわかっていない人に、大事な相談をするわけはありませんから。そして、あなたがそう信じる人がくれる、勉強についてのアドバイスは、たぶんほとんどの場合的を得ています。まずはそれをしっかりやり切りましょう。

伸びない生徒は受けた指示をとりあえず少しやってみます。でも、大学受験の勉強は大変なのでなかなかアドバイス通りには進みません。すると、その【言われたことをできないこと】を別の人に相談に行くんです。すると相談された人は基本的に善意の人ですから、苦しんでいるその生徒をみて、可能な限り苦しみから脱することができるようなアドバイスらしいものをしてしまいます。でもそれは、最善策を希釈した効果の薄いものです。まぁでも、ここで止まるならまだ大丈夫です。ところが、この生徒は苦しくなったから相談に行ったら楽な方法を教えてもらえたわけですから、またすぐに手を止めてさらに楽なものを求めてしまいがちです。そしてどこかで誰かが『誰かに相談はした?何かアドバイスを受けた?それをやり切った?』と指摘してくれるまで、この逃走は続きます。

ここから先、より厳しく、苦しくなる受験勉強において、伸び悩む生徒の多くが、無意識のうちにこの悪循環にはまっているように思います。

受験勉強に特効薬はありません。受けたアドバイスは必ずやり切ること。そこから逃げないことです。

 


 

ここで、僕が担当している生徒の話を紹介したいと思います。

この生徒は、某最難関私立大の文系学部志望で、高2の夏に入塾しました。彼にとって、志望校に向けて一番の課題は英語です。5月の第1回全統マーク模試にて英語は200点満点中160点に届かないくらいでした。志望校を考えるとセンターで8割取れる英語力があれば何とか勝負になり、9割取って当然というところなので、十分ではないのですがそう悪くはありません。

ただ実はこれは凄く厄介な状況です。決して悪くはないのですが、中途半端にできているので、高を括って基本をおろそかにしたり、慢心から我流になったりしがちなのです。そして、結局そのまま伸び悩んでしまい、目標に届かなかった生徒を僕は過去何人も見ています。

センター試験の配点の内、7割は大問3~6の読解力の問われる問題が占めています。
ですが、8~9割を確保するためには大問1~2と、読解ではあれど、語彙力といった基礎の習熟度が問われる大問3までは、ほぼ満点でなければなりません。時間配分としても、大問4~6の本格的な長文に時間を割く為に、迅速に解き終えられなければなりません。その為には、やはり基礎をこれ以上ないくらいに固める事が重要なのです。

それにもかかわらず、5月の時点で8割近くとれる人は、語彙、熟語、文法がそれなりにできているので、6月以降はそういった勉強をおざなりにして、大問4~6の本格的な長文対策の勉強に偏ってしまいがちなのです。

そこでまず、上記のようなことをしっかり話しました。君が今やるべきことは地味で苦しいかもしれないが、覚えるべきことをしっかり覚えること。知識を求められる問題で満点が取れるまでは、手を抜いてはならないと伝えました。夏休み中も何度も話しましたが、会う度話す度に言うことは同じです。これをやるのは簡単なようで本当に大変です。

受験生が夏休みに単語集や文法の問題集をひたすら繰り返してやる。もっと応用的なことが必要なんじゃないかと不安になりますし、なにより単調でつまらないですから辛いんです。でも彼はやり続けました。そして今回の模試で彼は初めて練習でも取ったことがなかった9割をとりました。186点です。苦手だった大問2は44点中44点だったそうです。

偉いなぁ、凄いなぁと本気で思います。心から尊敬します。言うのは簡単ですがやるのは本当に大変なのです。よくやりきりました。

彼のように、正しい努力をし続ければ、得点力は必ず上がるのです

 


 

もう一人紹介したい生徒がいます。

彼が入塾したのも2年の夏で、当初の成績は学校でも30番台でした。

そして、僕が彼と初めて面談したのは去年の秋の事です。

面談のきっかけは、お母様からとにかく勉強をしない、やる気が見えない、学校の成績が振るわないと、SOSが入ったことによるものでした。これは、恥ずかしながら我々の力不足で、生徒がやる気になるような指導をできていないからに他なりません。

そんな緊急事態の面談だったにも関わらず、部活で疲れていた彼は、眠そうに、気だるそうにしていました。

その彼もこの夏は本当によく頑張りました。

当時はどの教科もこれといって強みのなかった彼に、とりあえず社会だけでも早めに目途を立てられるようにしようと、日本史から政治経済への変更を提案しました。

そもそも日本史を選択していた理由はなく、「社会といえばとりあえず日本史か世界史」という具合に漫然と選んでいた様で、勉強も全く進んでいない状態でした。
彼の志望校に対して、社会は地歴公民から1科目ですみます。ここまでの勉強量がほぼ0の日本史よりも、暗記量が少なくて勉強量に対して点数が出やすいというのが、政治経済への変更を勧めた理由です。

ところが、その政治経済に一向に目途が立ちません。目標からすると、政経を夏前までにはあらかた片づけて、夏休みは英国に専念するのがこの状態においては理想です。

しかし、夏休み中盤に差し掛かるかというところでも、まだ7割にも満たない状況でした。このままだと第一志望どころか第二志望も全く歯が立たなくなるので、彼にもとにかく会う度話す度「政経を…政経を…」と呪文のように繰り返しました。紹介した参考書と問題集を、指示通りにこなせば9割まではいけるはずです。彼には伝えていませんでしたが、「この夏が終わって8割越えられなかったら軌道修正かな…」という不安が、僕の中で渦巻いていました。

その彼から、先ほど自己採点の結果がLINEで届きました。政経82点!間に合いました!もちろんまだまだですが、会った時のいきさつもあり年甲斐もなく泣きそうになりました。

彼の夏の成果はそれだけではありません!この夏、受験の厳しさを知り、本気で努力し、その努力を点数に結びつけるコツを悟った彼は、これまた自己最高の国語155点(しかも古文は47点!)という副産物まで生み出しました。

高校生のパワーって凄いですよね。これも心から尊敬します。自分の受験期を思い出しても、あんな辛いことはもう二度としたくないと思います。だから受験生を、しかも成果が出せる受験生を心から尊敬します。

よくやりました!この夏よく頑張った!
この場を借りて称賛を送ります。

彼についても、コツコツと正しい努力を続けてくれたからこその成果です。

 


 

皆さん、やるべきことを地道に積み重ねていきましょう!
魔法の様な特効薬はありません。夏休みは終わりましたが、まだ遅くはありません!
あと5か月です!血のにじむような努力をしましょう!

それではまた!!

有手